Boss Blues Driver BD-2のクランチは良い音?

プロ、アマ問わず多くのギタリストに愛用されている、Boss Blues Driver BD-2は、異色のオーバードライブとして有名です。

独特のクランチ・サウンドが売りで、発売当初から人気があります。

BD-2は、そのクランチからさらに激しい歪みまで表現が可能です。

しかし、エフェクターの評価は、万人が好む王道サウンドと、個性的で一部の人に支持されるサウンドに分かれ、BD-2は後者と言えます。

Boss Blues Driver BD-2のクランチは良い音?

Blues Driverのクランチの音の特徴

Boss Blues Driver BD-2のクランチ・サウンドを一言で表現すると、ズバリ「ダーティーなドライブ・サウンド」と評されます。

ジャキジャキ、ギラギラしたようなハイ・ミッド・サウンドが特徴的で、シングルコイルのギターとマッチします。

演奏者のピッキングが「剥き出し」になるようなサウンドで、リズム・プレイにはもちろん、リードでも十分活用できます。

しかし、サウンドを聴いて分かるように、特定のジャンルでは非常に効果的ですが、オールラウンドに対応可能なエフェクター、とは言いづらいでしょう。

このようにスムーズな歪みとは正反対の音ですので、そのような人達にとっては「良い音」とは評価されません。

Blues Driverの音が気に入らないのはどの部分なのか

オーバードライブにある程度のコンプレッサー感、整ったサウンドを求める人にとっては、BD-2のクランチ・サウンドは好みではないでしょう。

BD-2は、コンプレッサー感があまりなく、逆にピッキングの強弱がストレートに出るエフェクターだからです。

中高音域は強調されていますが、低音域があまり出力されていないようです。

シングルコイルのギター、特にFender Telecasterなどにはマッチしますが、ハムバッカー系のギターとは音質的にも、その用途としても合わない気がします。

ガレージ系、ビート系に分類されるようなロックにはピッタリでしょう。

ダーティーで泥臭い、制御できない尖ったようなサウンドに向いています。

逆とも言えるHR/HM系の、重くズシっと来る、キメの細かなディストーションが欲しい場合は、全く合わないです。

ピッキングの仕方よって相性が変わる

個人的には、BD-2の高音域の汚さというのは、ピッキングの仕方によっても大きく違うと思います。

例えばBD-2をクランチにした状態で弱くピッキングした場合、「ジャキ」とか「パキ」といった感じはなく、むしろテロンとした音になります。

ピッキング自体のアタックを立てなければ、歪みもそれについて来ない、と感じます。

全体的にピッキングが弱い人は、このクランチ時の「汚さ」はあまり感じないと思います。

ピッキングが強い人は「パキ」とした音が出やすく、それを「汚い」と感じる人もいるかと思います。

しかし、ことロックの場合には、「汚さ=音が悪い」とはならない事も多いです。

この「音の悪さ」が、理屈ではなく体感で「カッコ良い」と思えるのです。

話はそれますが、物理的・数学的に「美しい音」は、必ずしも人間にとって「心地良い」とは言えません。

ですので、ピッキングが強くて音が汚いと感じても、それがカッコいいと思う人は、BD-2のクランチ・サウンドが悪いとは感じないと思います。

なので、自分の欲しいサウンド、好みのサウンドがBD-2で出せるのか、そしてピッキング・スタイルも考慮して使ってみるのが良いでしょう。。

もしBD-2を弾いてみて、イマイチ狙った歪みが出せていないと感じた場合、ピッキングの仕方を変えてみましょう。

それでもしっくり来ないようであれば、自分にとってBD-2のサウンドは合わない、好みではない音、ということになります。

無理にBD-2を使わず別のオーバードライブを試してみて、自分の好みに、もしくは欲しいサウンドを探しましょう。

このように、好き嫌いがはっきりするBD-2ですが、愛用者が多いのも事実です。

全てのジャンルの歪みをこれ1台で、というのは流石に無理だと思いますがクランチ・サウンド、またはブースター用としてボードに組み込み、他の歪み系も併用するのが、最も使い勝手が良いと思います。

単体だけではなく、他のエフェクトと組み合わせると、使いやすさが上昇するのは魅力です。

一般的なオーバードライブやディストーションとは少し異なり、ブーストによる歪みを出力するエフェクターと解釈して活用できるでしょう。

Bossの歪み

Boss Blues Driver BD-2が発売された当時の反応は、「Bossの伝統的なオーバードライブっぽさが全くない」「Bossのオーバードライブっぽくなくて、新しさを追求した」といった逆の意見が半々だったそうです。

BD-2は、誰にでも受け入れられるようなものより、好き嫌いがはっきり出る個性的なサウンドだと思います。

BD-2に関してはそれほどクセがあるようなものではなく、むしろ万能選手だといえます。

名前のとおりブルース・ロックやビート・ロックに合うのはもちろんのこと、ハード系の音楽であってもブースター的にも対応できます。

これでメタル・サウンドを期待するのはさすが厳しいですが、このあたりが今までのBossのエフェクター・イメージと違うという印象が強く出てしまっています。

つまり「Bossのオーバードライブっぽくない」というのはみんな感じたようです。

BD-2が発売された1995年、Bossのオーバードライブといえば、名機と呼ばれたOD-1からの直系の音のSD-1(スーパー・オーバードライブ)OD-2(ターボ・オーバードライブ)、SD-2 (デュアル・オーバードライブ)が発売され、いわゆる「Bossの歪み」と呼ばれるものがメインでした。

そこにキャラクターが全く違うBD-2が発表されると、その反響は大きく、特に「Bossの歪み」が好きではなかった人達に一気に広まりました。

それまでの「Bossの歪み」とされるエフェクターと、BD-2の音の違いは、先に書いてある通りコンプ感の違い、そして音がそれまでのオーバードライブに比べると「硬い」「粗い」印象があります。

SD-1、OD-2等を好んで使っていた人には、違和感しかなかったのだと思います。

また、BD-2の音には、Bossの他のオーバードライブにはないダーティさがあり、それがこのエフェクターの強烈なキャラクターになっていますが、そのような音を好まない人にとっては良い音には聴こえない、汚い音に聴こえると思います。

個人的にBD-2は、非常に狙った音が出せるオーバードライブですが、誰もが好きになるような音ではないと思っています。

ギタリストであれば、自分の好みのサウンドを追求して、その目指すサウンドを作っていただきたいです。

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