皆さんは、ベースがかっこいい!と思うときはどういう時でしょうか?

非常にリズミックなプレイ、楽曲のメインになっているベースライン、間奏でみせるベースソロなどなど。

ベーシストがかっこいい!と思える一つに、スラップ奏法があります。

ベースのスラップ奏法とは?練習方法ややり方。

スラップについて

最近のベーシストでは、Red Hot Chili PeppersのFleaやRizeのKenKen、

そして元来は70年代アメリカのファンク系ベーシスト達、

派手なフレーズをスラップでバンバン弾いている姿を見ると、

自分もこんな風にリズミックでかっこいいベースを弾いてみたい!そう思いますよね。

今回は、ベースのスラップ奏法について解説していきたいと思います。

 

アメリカで60年代後半に大ヒットした、コンテンポラリーなファンク・バンドSly & The Family Stonesのベーシスト、Larry Grahamが生み出した奏法と言われています。

実験的なSly & The Family Stonesでしたので、インスピレーションがあったのかもしれませんね。

スラップとは、日本では「チョッパー奏法」とも言います。弦を弾く時に親指の側面で弦を叩く=サムピング、人差し指を弦に引っ掛けて離す=プル、以上の動作でベースを演奏する事です。

サムピングは手首を捻って親指を弦に当てる、プルは弦をあまり引っ張りすぎないようにするのがコツです。

FチョッパーKogaさんのYouTube動画が分かりやすいので、一度視聴してみると良いと思います。

イメージを掴みたいのであれば、KenKenが出演している動画を視聴するのが良いですね。

スラップ奏法は難しいので、習得するには練習をこなさなければいけません。

ベースはアンプを通さないと音がほとんど分かりませんので、しっかりアンプからの出音を確認しながら練習しましょう。

スラップが出来るようになると、とてもかっこいいですし、ベーシストとして1段階ステップアップした、と言えるかもしれません。

是非習得出来るように頑張りましょう!

 

スラップフレーズをたくさんコピーしよう!

上達の一番の近道は、スラップに限らずですが、たくさんの楽曲を聴いて、たくさんの楽曲のコピーをする事です。

気に入った楽曲やその中で使われているフレーズは、すぐにコピーしてしましょう。

何の曲でも良いですし、どんなフレーズでも良いです。

弾けるようになるまで、何度も何度も、しつこく弾いて下さい。

実際に私はNothing’s Carved In Stone(のベーシストのスラップフレーズ)の楽曲だけをコピーし続けていたことがありました。

難しかったですし、弾けない壁に当たって苦しかった事もあります。

でもそれ以上に楽しく、何よりも出来るようになって1曲弾き切った時はとても嬉しかったです。

自分の好きなバンドのアルバムを全てコピーする勢いで、とにかく毎日頑張って弾きまくりましょう!

弾き方が分からなければ、現代では簡単に動画が見られますので、参考にしながら弾きます。

スコアブックなんかを探しても良いと思います。

ですが、一番効果的なのは耳コピです。初心者の方は時間がかかるかもしれませんが、最も身に付く練習方法です。

 

何故コピーが有効か

何故コピーをたくさんするのが効果的かというと、フレーズを手クセにしたいからです。

フレーズをコピーしていく内に、だんだんと自分のフレーズのストックが増えてきます。何気なく弾いたりするようになります。

そうしてコピーしたフレーズはやがて手クセに変わります。

手クセが増えれば増えるほど、自分の引き出しのアイディアが溜まってきます。

耳コピしたりコードの知識が増えてくると、オリジナルのフレーズに昇華することが出来ます。

なので、是非色々な楽曲を、たくさんコピーして下さい!

それに、教則本の非音楽的でダサいフレーズを弾くよりも、自分の好きなバンドのフレーズをコピーした方が、とても楽しい練習になりますしね。

 

メトロノームを使って練習する

スラップ奏法に慣れてきたら、メトロノームを使用して練習をしてみましょう。

今はアプリで簡単に無料で入手出来ますので、それで十分です。

原曲より遅くして始めて、早くしたりして練習しましょう。

この時に重要なのは、どんなテンポでも一音一音丁寧に弾くこと。

音の伸ばし方と切り方、ピッキングのタイミングなど、メトロノームの発音にしっかりと合わせましょう。

面倒でも諦めずに頑張りましょう!

 

ベーススラップのオススメ曲

最後に、僕的にスラップの練習としてコピーして良かったと思う楽曲を挙げていきます。

あくまで個人的な意見です。

参考までで結構です。

また、もちろん他にも良い楽曲はたくさんあります。それを探すのも良いと思います。

色々な楽曲を聴いて、楽しみながらコピーしてみて下さいね。

  • マキマムザホルモン「F」
  • Red Hot Chili Peppers「Higher Ground」
  • Marcus Miller「Power」
  • Larry Graham「Pow」

ベースのアドリブの練習方法とコツ。スケールやソロ等。

ベースの腕が上がってくれば、バンドに参加する、セッション等の誘いが来る、自分でも参加しようと、考えが広がると思います。

しかし、与えられた楽曲の譜面通りに弾いているだけでは、ジャム・セッションには対応出来ません。

特にジャム・セッションはフリーの場なので、自分がどんなベースを弾くのか、どの程度の理解力、演奏力を持っているのか、他の人に分かってしまいます。

ここでは、ジャム・セッション等に必要なベースのアドリブについての練習方法やコツを説明していきます。

 

コードの構成音を覚えよう

コードは最低3つの音が積み重なって構成されています。

例えば、Aメジャー・コードであれば、A-C#-Eであり、A7であればA-C#-E-Gです。

実は、ベースラインというのは、コードに対する構成音で作られている事がほとんどです。

逆に言えば、コード構成音でベースラインを作れば、ハズした音を出してしまうことはありません。

このコードの構成音を覚えてしまえば、ベースのアドリブは出来たも同然です。

ワン・コードのジャム(コードは一切進行させない)であれば、キーのコードのみを覚えておけば問題ありません。しかし、コードを進行させるジャム・セッションの場合は、登場するコードの構成音を全て把握しておく必要があります。

ということは、相当な数のコードを覚えなければならない…。とがっくりされるかもしれませんが、実はそんな事はありません。

コードのより簡単な覚え方を解説していきます。ベースよりギターの方が考えやすいかもしれません。

例えば、Aメジャー・コードの場合、構成音は4弦5フレット=A、3弦4フレット=C#、3弦7フレット=Eです。この位置関係を保ったままで、任意のルートへ移動します。

Cメジャー・コードへ移動したと考えると、その構成音は4弦8フレット=C、3弦7フレット=F、3弦10フレット=Gです。先ほどのAメジャー・コードの位置関係のまま、3フレット分だけブリッジ側に移動しています。

ですので、コードのルート音と構成音の位置を覚えれば、その他のコードでも応用が効くという事になります。

これはピアノでは使えない、ベースとギターの楽器の特性です。

後はそれぞれの音を伸ばす、縮める、弾かない、などフレーズを調整するだけで、かなりのアドリブ・フレーズを作ることが出来ると思います。

 

経過音を加えよう

経過音とは、音と音の間にある音の事です。

例えば、AとBであればA#(B♭)、CとDであればC#(D♭)がそれに該当します。

どうして経過音というのか、どのように使うのか、をまとめて説明します。

一番簡単な例は、フレーズがAからBに移動する時、Bに移動する1拍前もしくは半拍前くらいにA#(B♭)の音を入れます。

これだけでも雰囲気は変わると思います。A#(B♭)はAメジャー・コードから見ても、Bメジャー・コードから見てもハズした音なのですが、経過音はメインのサウンドではないので、使うことが出来ます。

また、コードが変わる箇所だけでなく、コードの構成音同士、例えばkコードがAメジャー・コードの場合にC#からEへ移動する時に、D、D#と2音を足すのもありです。ラインの移動にスピード感が出て、かつ滑らかになります。

 

ベースソロの場合

ベースソロは、大抵の場合が他の音が静かになるか、無音になる事が多いです。

ベースは低音なので、特にギターやキーボードが鳴っていると、ベースソロとして聴こえづらいのです。

さて、ベースソロについてですが、何もゼロから独立してコード進行やフレーズを考えなくても大丈夫です。それまで弾いていたコード進行と同じものを意識して弾くだけでも、かなり「それっぽい」ベースソロになります。

何もない場合の、完全フリーな場合でも、これまで説明してきたことを踏まえて、自分でイメージをしながらコード進行を設定し、その構成音と経過音を上手く繋げていきましょう。

 

スケールは覚えなくていいの?

ギターでは、ギターソロでアドリブを取るにしても作り込むにしても、スケールを覚える事は必須とされています。

では、ベースでもスケールを覚える必要はあるのでしょうか?

個人的には、わざわざスケール・ブックまで準備して覚えなくても、コードとその構成音+αを覚えれば、スケールまで覚える必要は無いと思っています。

というか、それでほとんど基礎的・頻出のスケールになっているのです。

もちろん構成音+αとスケールというそれぞれの角度から覚えると、一層理解が深まり、アドリブだけでなく自分のフレーズの幅が広がるのに間違いありません。

余裕が出来たらギターを用意して、スケールを覚えてみましょう。

 

ベースの効率の良い基礎練習法・フレーズ等。

同じ練習時間がであれば、効率良く上手になりたいと思うのは、誰もがそうだと思います。

しかし、楽器の練習というものは毎日弾き続けることが大事で、上手くなる事に近道はない…。と良く言われます。

 

とりあえず毎日弾く・・・ように心がける

少しの時間でも良いので、毎日ベースを弾く事は、確かに一番重要です。

ただし、それが強迫観念になってしまい、ベースが嫌いになってしまうのでは本末転倒です。

そこで、多少でも効率良く練習出来る方法を考えてみたいと思います。

 

弾ける曲以外のフレーズを弾く

毎日ベースに触るにしても、知っている曲を弾くだけではすぐに楽しくなくなってしまうと思います。

知っている曲を覚えているうちは楽しいかもしれませんが、弾けるようになると飽きてしまう、というのが本音だと思います。

本当に適当なフレーズを弾いているのも効果的な練習になります。覚えたフレーズに飽きたら、本当に適当にフレーズを弾いてみて下さい。

漫然と弾いているのではなく、その中から使えそうなものが見つかったら、何度も弾いて自分のストックにしておきましょう。

あるいは、楽曲全部をコピーするのではなく、気に入ったフレーズのみをコピーしていく、というのも良いと思います。

ベースマガジ等に、よくフレーズ集が掲載されていますので、そういったものを参考に片っ端から覚えていきましょう。忘れたらまた覚え直せば良いのです。

 

必ずメトロノームを使う

どの楽器練習でもそうですが、リズム感を身につけるための練習として、メトロノームに合わせることは必須です。

某大物ミュージシャン曰く「メトロノームを使わない楽器の練習は、練習じゃない」とまで言い切っています。

現代では手軽にドラムの打ち込みサウンドを聴くことが出来ますが、まずはメトロノームでジャストなリズムを掴む事が大事です。

そして、グルーヴ感を出すためには、このジャスト・タイムのリズムを知らなければ生み出すことが出来ません。

そのためにも、メトロノームを使った練習は必須です。

最近は、スマホのアプリで無料のメトロノームをダウンロード出来ますので、メトロノームを持っていない人は、そちらを活用してみましょう。

 

立って練習する

これは、ライブで立って演奏する人であれば当然ですね。人前でも座って演奏する(実際そういうバンドもあります)、DTM中心、という人は立って練習する必要はありません。

座って弾くのと、立って弾くのでは、左手も右手も大分感覚が違うはずです。

自宅の練習でも毎回立って弾いておけば、スタジオやライブでも問題なく弾けるはずです。

 

弾いている姿を鏡で見ながら練習する

上手い人の運指は、動きもとても美しいです。

それは指板上を合理的に移動しており、無駄な動きをしていないからです。

ただ、自分の運指が綺麗になっているかどうかは、リアルタイムでは中々分かりません。ましてや演奏中はなおさらです。

でも、鏡に自分を映して、弾きながら運指やピッキングの動きが分かります。それにフレットから目を離す練習にもなります。

自分の指の動かし方が分かったら、理想の動きに近づけるように修正を続けていきましょう。

可能であれば全身を映せる鏡を使って下さい。

 

どうしてもベースに触りたくない場合は弾かない

ベーシストならばそんな気持ちにはならないと思いますが、今日は勉強・仕事で疲れている、帰りが遅かったのでもう良いや…。なんて事はあると思います。

そういう場合は、スパッと弾かないのも良いと思います。

最初にも書いていますが、ベースが嫌いになってしまっては、元も子もありません。

それに気持ちが入っていなければ、ベースが上達する事はありません。

楽しくやる気がある時に練習すれば身に付くものです。

 

ベースのスラップの音作りのコツ。エフェクターは必要?

スラップ奏法は、ベーシストの花形プレイの一つだと思います。

普通のベースの弾き方に比べると色々と違いがありますので、スラップ奏法をやらないままある程度ベースを練習してきた人だと、音作りに戸惑う部分があるかと思います。

今回は、そんなスラップ奏法の時の音作りについて考えていきたいと思います。

 

スラップの音作りのコツ

一般的に、バキバキするスラップの音を簡単に作る方法は、アンプを所謂「ドンシャリ」にセッティングする方法です(ベーシストによって好みが分かれますが)。

「ドンシャリ」というのは、中域をカットして低音域と高音域を極端に上げたセッティングです。

おそらく、このセッティングでコンプレッサーをかけたり、軽く歪ませるだけでも、スラップっぽいサウンドを出す事が出来ると思います。

注意する点は、スラップの音を強調しようとして高音域を上げ過ぎてしまわないようにする事です。

このようなサウンドでは、ベースなのに低域が非常に弱く、ベース本来の役割を果たせなくなります。

ベースにとって大事な中・低音域の音作りは大事です。

本末転倒にならないように、ベースの役割をしっかりと考えて音作りをして下さい。

 

エフェクタ-は必要なのか?

スラップ奏法、ピックによる演奏、通常の指弾きでは、それぞれアタックの強さや音量差があります。

特に初心者の方はその傾向が顕著に見られます。

このような状態をある程度防ぐために、コンプレッサーやリミッターを常にかけて置く事は、ある意味で必要だと思います。特にライブにおいては。

また、指弾きに比べてスラップはアタックが非常に強いため、指弾きで大きい音量で弾いていて、そのままスラップをした場合、下手するとスピーカーが飛んだりアンプを痛めてしまうこともあります。

そうした機材の故障などを防ぐためにも、リスナーの聴きやすさという点からも、コンプレッサーやリミッターは必要と言えます。

但し、そのような、演奏力によるヴォリュームやアタックのコントロールは、練習を重ねる事で上達します。

本来、コンプレッサーやリミッターは、そのような技術を持った上で、より聴きやすさを追求する場合に使われるものです。

 

必ずアンプから音を出す、もしくはヘッドフォンから音を出して練習しよう

最後になりますが、スラップの練習は必ずアンプから音を出すか、アンプのヘッドフォン端子を使ってヘッドフォンでモニターして練習して下さい。

特にベースはアンプを通さないと、全くと言って良いほど音がきこえません。

実は、本当に上手な人のスラップの生音の音量は、かなり小さいのです。

これは無駄な力を入れていないからなのですが、生音でスラップの練習をするとどうしても音を大きく出そうとして、無駄な力を入れてしまいがちになります。

必ずアンプ等で音を出し、上記の音作りでスラップの音が正しく出せているか、しっかりセッティングを整えて練習しましょう。

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