Marshallアンプの使い方を初心者の方向けに解説。

今回は英国の世界的アンプ・ブランド、Marshallのチューブ・アンプの使い方をご紹介します。

Marshallは、Fenderと並ぶ代表的ブランドで、1960年代の英国で誕生し、まさにロックと歴史をと共にしてきました。

ギタリストでMarshallの名を知らない人はいないでしょう。

そのMarshallのサウンドの核となっているのが、やはり真空管になります。

余談ですが、MarshallにもValvestateシリーズなどのトランジスタ・アンプのモデルはあります。

Marshallアンプの使い方を初心者の方向けに解説。

JCM2000  DSL100を例に

それでは、JCM2000 DSL100を例としてご説明します。

DSL100とは、「Dual Super Lead 100W」の略で、ギター用のアンプ・サウンドが2チャンネル入っているアンプです。

チャンネルAのクラシック・ゲインとチャンネルBのウルトラ・ゲイン2つのチャンネルが選択可能なっています。

チャンネルAにはクリーン・チャンネルとクランチ・チャンネル、チャンネルBにはリード1とリード2が装備されています。

これは標準的なMarshallのスペックと考えてください。

・電源の入れ方

最近ではアンプ・シミュレーターが驚くほど発達しており、かなり元のアンプに近いサウンドが再現されています。

また時代が下るごとに真空管の希少価値が増していますので、本物のチューブ・アンプの音を聴いたことのない方もいるかもしれません。

特に、初めてチューブ・アンプを使うという方は注意が必要です。

アンプ・シミュレーターは、当然スイッチを入れればすぐに稼働するわけですが、現物のチューブ・アンプは、真空管が暖まらないと稼働せず、無理に使ってしまうと真空管を傷めてしまう可能性もあります。

面倒なのですが、この過程に味があって良い、というギタリストもいます。

まず、電源を入れる前に、アンプとスピーカーがしっかり接続されているか確認します。

接続の際はΩも合っているかも、確認をしてください。

通常は16Ωの設定になります。

スピーカーが接続されていない状態で、電源を入れてしまうと真空管のパワー管の故障の原因になりますので、注意してください。

100Wのアンプでは、パワー管を4本も使っています。

もし破損してしまえば大変な出費となり、またバイアス調整等もやり直さなければならないので、かなり厳しいです。

スピーカーがない場合は、ロードボックスやダミーロード付きのアッテネーターなどと繋ぐことで、スピーカーの代用にすることも可能です。

これらの機器を用意すれば、自宅でもヘッドアンプを使って、オーディオ・インターフェイスを通してPCへのレコーディングが可能になります。

スピーカーが繋がれているかを確認したら、VolやGainなどのコントロール・ツマミを一旦すべて0にします。

ボリュームを上げたままスイッチを入れると、アンプを痛めます。

ここまでセッティングされたら、パワー・スイッチをOnにします。

スイッチが赤く点灯したら、真空管が温まるまで2~3分間待ちます。

この段階で、ギター・ケーブルをインプット・ジャックに挿します。

2~3分間ほど真空管が温まるのを待って、スタンバイ・スイッチ(音を出力するためのスイッチ)を入れて各ツマミで音を調節します。

・電源の切り方

電源を切る場合は、まずアンプのコントロール・ツマミをすべて0にします。

そしてスタンバイ・スイッチをオフにします。

その後にギター・ケーブルを引き抜きます。

2~3分経過したら、パワー・スイッチをオフします。

真空管は非常に繊細ですので、ライブやリハーサルなどで演奏後すぐに動かす場合は、パフォーマンスなどでも乱暴に扱わないように注意してください。

長時間の演奏の後に激しい衝撃を与えると、思わぬ故障に繋がるかもしれません。

・イコライジング

JCM2000のイコライザーは、チャンネル1とチャンネル2で共通になります。

最初はクラシック・チャンネルのクリーンを選択します。

(項立て)

・Presence 2~3

・Treble 5

・MIddle 5

・Bass 5

まずは以上のセッティングしてください。

ディープ・スイッチとトーン・スイッチは、最初のうちはOffにしておきます。

リバーブは好みで構わないのですが、標準的には2くらいで良いと思います。

ここまでセッティングしたら、ボリュームを上げましょう。

実際に音を出してみて、チャンネルの選択やゲインの量などを調整します。

ボリュームは、バンド全体の音量に関わってきますので、ドラムの音とボーカルの音の大きさに合わせてください。

ただし、チューブ・アンプは、ある程度ボリュームを上げないと、良い音で鳴ってくれません。

最後にイコライジングの微調整を行って、最終的なバランスを取ります。

自分のサウンドを聴く場合、アンプの近くと遠くでは聴こえ方が違いますので、注意が必要です。

色々な位置で音の確認をしてみたり、メンバーへ聴こえている音量が大き過ぎないようにしましょう。

JCM800、JCM900のセッティングの方法

まず、JCM800には、大きく分けて2つのモデルがあります。

マスター・ボリュームが付いていないJCM800版1959と、マスター・ボリュームが付いた2203です。

こちらは100Wですが、さらに50Wのタイプもあります。

この頃の年代のアンプは、特に音量を上げて内部稼働させないと良い音になりません。

チャンネルも1つしかなく、アンプのみで十分に歪ませるためには大音量になってしまうので注意ください。

さらにはセンド・リターンもありませんでした(リイシュー・モデルで追加された機種もあります。)。

しかしながら、その使い勝手の悪さも含めて、音が素晴らしいと評価するギタリストも多くいます。

一般的なスタジオにおいてある機種は、当然真空管が消耗している物が多いのですが、質の良いJCM800を見つけることが出来たら、大音量で試してみることをおすすめします。

・セッティング

それでは、実際のセッティングについて解説していきます。

今回はよくスタジオなどに置いている2203のセッティングです。

JCM800は、JCM900やJCM2000に比べると、どっしりとした低音域や、音抜けの良さを持った高音域が特徴で、全面的に主張が強い音です。

しかし、高音域が効いてるため、耳が痛く感じるような音になりやすい傾向があります。

ですので、JCM800の音作りでは、初めにBass、Middleは5にして、TrebleとPresenceはゼロの状態から始めて下さい。

まずは、思い切ってボリュームを4くらいまで上げて、ラフにギターを弾いて、アンプのなりを確認しましょう。

次に、好みの歪までゲインを上げます。

おそらく爆音になるでしょうが、この暴れたサウンドがJCM800です。

Presenceは必要性を感じないのであれば、ゼロのままで問題ありません。

Presenceは超高音域と言われ、高音域より高い帯域をコントロールし、音の抜けが悪い場合に使われます。

ディストーション等深い歪みをかけた状態で、バンドサウンドに音が埋もれてしまった場合に上げてみましょう。

JCM900の場合は、JCM800に比べると音が若干マイルドな印象があります。

高音がきつい耳に痛いような音にはなりにくいですが、JCM800同様に高音域に気を付けてセッティングをして下さい。

JCM900の方がより歪ませやすくなっています。

こちらもPresenceがゼロのまま問題なければ、そのままでも構いません。

また、JCM800とJCM900ともに、クランチのセッティングであれば、Marshallのイコライザーは十分効きますが、アンプでの歪みが多い場合、イコライザーの効きが悪く感じると思います。

アンプだけでうまくトーンが決まらない場合は、エフェクターのイコライザー等を使用して音を補正して下さい。

あくまで基本の音はギターとアンプのイコライザーで作り、エフェクターでは微調整をする程度です。

Marshallアンプ・ヘッドの種類とおすすめは?

一般的な練習スタジオに行くと、ほぼ置いているMarshallアンプは、JCM800か900です。

良い機材を入れているスタジオだと、JCM2000が置いてある場合もあります。

JCM2000は、プロのギタリストに評判が良い機種でしたが、残念なことに現在は生産中になってしまいました。

それでは以下現行のMarshallのヘッドアンプを見ていきましょう。

VINTAGE シリーズ

・2555X

シルバー・ジュビリーのリイシュー・モデルになります。

100wで、2チャンネル、プリ管にECC83を3本 パワー管にEL34管を4本使用しています。整流管はGZ34です。

・1959SLP

Plexiのリイシュー・モデルになります。

100W、2チャンネル、プリ管にECC83を2本、パワー管にECC83を1本、EL34を4本使用しています。

・1987X

100W Plexiの50W版になります。

パワー管のEL34が2本になります。

・JTM45 2245

30Wで、2チャンネル、プリ管にECC83を2本、パワー管にECC83を1本、5881を2本使用しています。

整流管はGZ34です。

JCMシリーズ

・JCM800 2203

マスター・ボリュームが付いたモデルになります。

100Wで1チャンネル、プリ管にECC83を2本、パワー管にECC83を1本、EL34を4本使用しています。

DSL シリーズ

・DSL100H

100Wと50Wの切り替えが可能なモデルです。

プリ管にECC83を3本、パワー管にECC83を1本、EL34を4本使用しています。

近年のJeff Beckは、このアンプをメインに使用しているようです。

ハンド・ワイアード・シリーズ

・2061X

20W、2チャンネル、プリ管にECC83を1本、パワー管にECC83を1本、EL84を2本使用しています。

・2245THW

ブルースブレイカー・ヘッドのリイシューモデルです。

30W2チャンネル、プリ管にECC83を3本、パワー管にECC83を1本、KT66を2本使用しています。整流管はGZ34が採用されています。

ヴァルブ・トレモロをフィーチャーしています。

・1959HW

Plexi Marshall

100W2チャンネル、プリ管にECC83を2本、パワー管にECC83を1本、EL34を4本使用しています。

日本のマーシャルのホームページに記載されていません。

JVMシリーズ

・JVM410H

100W4チャンネル、プリ管にECC83を4本、パワー管にECC83 を1本、EL34を4本使用しています。

リバーブとMIDIがついており、より現代的な使い方が可能です。

最強のディストーション・サウンドを実現します。

・JVM210H

100W2チャンネル、真空管などの構成は410Hと同じです。

・JVM205H

50W2チャンネル、パワー管のEL34が2本になります。

おすすめ

MarshallといえばPlexi、Eric Claptonで一躍有名になった、ギター・サウンドの原型とも言える1959HWになります。

日本のホームページに載っていないということは、本国イギリスからの取り寄せになるのでしょうか。

また、使い勝手が気になるところですが、マスター・ボリュームのないアンプ・サウンドというのは魅力的です。

近代的なハイ・ファイな歪みが好みの方は、DSL、JVMシリーズのウルトラ・ゲイン・チャンネルを装備したモデルがおすすめです。

昔のMarshall(60年代~70年代)は、オーバードライブのような粗くて太いサウンドが特徴でしたので、求めるサウンドに合わせて選択しましょう。

マーシャルアンプの小型タイプのおすすめは?

Marshallサウンドには憧れるが、100Wや50Wでは音が大き過ぎる、という方は、小型タイプのモデルがおすすめです。

現行機種のコンボ・アンプかミニヘッド・アンプを以下で見ていきましょう。

DSLシリーズ

・DSL40C

40Wと20Wの切り替えが出来るコンボ・アンプです。

DSLシリーズのプリ・セクションは全部共通です。

2チャンネルで、パワー管がECC83を1本、EL34を2本になります。

また、セレッション・スピーカーです。

・DSL15H

15Wと7.5Wの切り替え可能なアンプ・ヘッドです。

2チャンネルで、パワー管がECC83を1本と、6V6が2本になります。

・DSL15C

15Wと7.5Wの切り替え可能なコンボ・アンプです。

パワー管は、15Hアンプ・ヘッドと同じです。

こちらもセレッション・スピーカーです。

・DSL5C

5Wと0.5Wの切り替え可能なコンボ・アンプです。

2チャンネルで、パワー管がECC99を1本になります。

こちらもセレッション・スピーカーです。

ハンド・ワイアード・シリーズ

・1962HW

30Wで2チャンネル・コンボ・アンプです。

プリ管にECC83を3本、パワー管にECC83を1本、KT66を2本使用しています。整流管はGZ34です。

25W12インチ・セレッション・グリーンバック・スピーカーを2台搭載しています。

60年代のブルースブレイカーを再現したモデルになっています。

整流管のGZ34が、ブルースブレイカーの特徴だった気持ちの良いアウトプット・ステージのコンプレッションと、厚みのあるクリーンなサウンドを生み出すことに貢献しています。

キャビネット・サイズをKT66に合わせた大きめの寸法になっているため、かなりオリジナルに近いサウンドという高い評価を受けています。

また、真空管で駆動するトレモロを復活させています。

・1974X

18W2チャンネルのコンボ・アンプです。

プリ管にECC83を2本、パワー管にECC83を1本、EL84を2本使用しています。整流管はEZ81になります。

このアンプのためだけの、リイシュー12インチ20W・セレッション・スピーカーを1台搭載しています。

1966年から1968年にかけて製造され、人気を集めたモデルです。

非常にシンプルなコントロールや仕様と回路構成ながら、抜群のサウンドとフィールを誇ります。

音量を上げた時のサウンドは絶品で、これぞ古き良きMarshall、と言ったところでしょうか。

ピッキングのダイナミクスに対するレスポンスが非常に良いです。

真空管で駆動するトレモロのかかりが良いです。

・1973X

18W2チャンネルのコンボアンプです。

プリ管にECC83を2本、パワー管にECC83を1本、EL84が2本になります。

整流管はEZ81になります。

エイジングされたセレッション12インチ・グリーン・バック・スピーカーを2台搭載しています。

真空管トレモロが特徴です。

EL84パワー管を搭載したカソード・バイアス方式のアウトプット・ステージには、ネガティブ・フィードバックがありません。

ワット数が低めのパワー管は、高出力アンプより早めにオーバードライブするため、低めの音量でもヴィンテージ・ライクなMarshallトーンを生み出します。

この辺りが最大の魅力と言えると思います。

・1958X

18W2チャンネルのコンボアンプです。

プリ管にECC83を2本、パワー管にECC83を1本、EL84が2本になります。

整流管はEZ81になります。

エイジングされたセレッション10インチ・スピーカーを2台搭載しています。

オーバードライブ・サウンドやトレモロの特徴は1973Xと同様です。

マーシャルアンプの関連記事

マーシャルアンプの音作りのコツ1はこちら!

マーシャルアンプの音作りのコツ2はこちら!

マーシャルアンプの音作りのコツ3はこちら!